春の女性を、
ここまで美しく思ったことは今までに、あっただろうか。


暖かな、とある春の日。

庭へ出た僕を出迎えたのは、
これでもかと叫ぶように散る、
桜の花弁に身を任せる、君だった。

思わず息を飲んだ。

時が止まったかのようにも感じた。


しばらく見惚れていると…
君は、突然何かを見付けたかのように散りゆく花弁を蹴り上げ、走り出す。


「龍馬さんっ!」


…ああ、そうか。

これは、決して叶うことのない恋だったのか。


花が舞うように儚く、

一瞬で散ってしまったこの想いを、僕は、君にどう届けよう。

強引に唇でも奪ってしまおうか…。

君は、この想いに気付いている?
誰にも譲れない、この強過ぎる位の恋心に…。


…寺田屋を彩る、大きな桜の樹。

散りゆく花弁を歓迎するかのようにひらりと自由に空を舞う蝶々は、

まるで、愚かな僕を嘲笑っているかのよう。

ひらひらと蝶々の様に舞う君は、一体何処へ行ってしまうの?

僕の気持を盗んで、一体、どの花の蜜を吸いに行こうとしているの?


pic_hana04_01.jpg

大きな桜の樹。

気付けば僕も、彼女の周りを飛び回る一匹の蝶々になっていた。
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